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鏡の女(短編集“鏡の女”第二話『地下鉄の鏡』)
昭和62年2月 実業之日本社(ジョイ・ノベルズ) 刊行  浅見光彦シリーズ 第13作
ストーリー
主要登場人物
≪ストーリー≫
光彦は、ある雑誌の編集長の家で新しい企画の打ち合わせと新年会をするために京王線の幡ヶ谷駅から編集長の家に向かって歩いていた。
いきなり、黒い巨大な塊が十メートルばかり先の植え込みに落ちた。人間が落ちてきたのだ。
その女性は“・・・ちかてつのかがみでみた・・・”と言い残し息を止めた。

警察の現場検証が終わり、光彦は刑事課長と思われる私服の人物に声を掛け、“・・・ちかてつのかがみでみた・・・”と言い残した事を伝えた。

マスコミの報道によると自殺という事で決着がついたらしい。自殺したのは駒村ひろ子という23歳の会社員で自殺したマンションの裏手にあるアパートに住んでいたとの事だった。
光彦はひろ子が残した言葉が気になり事件現場に行ってみた。飛び降りたマンションの駐車場はマンションの住人だけでなく一般の外来客も利用できるらしい。光彦は、ひととおり見て回ると、マンションの裏手にあるひろ子のアパートに行った。管理人の話しでは恋人がよく遊びに来ていたとの事。しかし、その恋人に振られて自殺してしまったとの事。
また、近所の喫茶店のマスターに話しを聞いたところ、その恋人の名は“沢田”という事が判った。<

所轄の代々木署に行き言い残したダイイングメッセージについて聞いたが結果的にあまり重視されていなかった。
刑事課長の話しでは両親・会社・親友に宛てた三通の遺書があったとの事。しかし、同僚の一人は自殺なんてするはずがないと言って警察に言ってきていた。
光彦はその同僚の女性から話しを聞いた。その女性は平野哲子といい、哲子の話しでは沢田智幸という同僚が出世のためにひろ子を振って部長の娘と結婚することになり、ひろ子は一時真剣に自殺を考えていたが死ぬ前の日に札幌のテレビ塔の近くから電話を掛けてきて『大丈夫、もう死ぬのやまたから。』と言っていたとの事。
光彦は哲子にダイイングメッセージの事を言い、思い当たる事がないかと訊ねたが思い当たる事は無いとの事。
そこで、光彦は札幌に行ってみる事にした。

札幌のテレビ塔の近くの地下鉄の駅というと“大通駅”になる。大通駅に行き鏡を探したが無い、駅員に聞くと美観の関係で置いていないとの事。しかし、一つだけホームの最後尾に大きな鏡があるとの事。
この鏡は自殺予防に置かれているとの事だった。

東京に戻った光彦は代々木警察署の刑事課長に今までの事を話し、関係者のアリバイ調査だけでもしてほしいと頼んだが無駄だった。
その夜、哲子と落ち合い食事をした。そこで、事件の概要や犯人像を話し合った。

哲子は社員食堂で偶然に沢田と隣り合わせた。そこで、ひろ子が札幌にいた時のアリバイを聞こうとしたがダメだった。
しかし、会社帰りにお茶に誘われた。そこで、札幌に行っていなかったかどうか問いただしたが、逆に脅すような事を言われた。

ひろ子が死んで以来、部長の沢田に対する様子が変化しているようだった。
哲子の話しから想像すると、会社の人間が札幌でソフトか何かの会社の秘密を売ろうとしているところをひろ子に見られ、その事でひろ子が殺された。と、いう事だ。
部長はその日に札幌に行っていた。沢田は部長の秘密を知ってしまった。この秘密は自分にとって都合の良い事だと思った。
数日後、部長を誘い飲みに行った。そこで札幌で見かけた事を言い部長の優位に立とうとしたが、部長が札幌に行ったのは再婚相手に会いに行っていたのだった。
沢田の思い違いで部長を怒らせてしまい、部長の娘との縁談は無かった事になった。

光彦と哲子は喫茶店で待ち合わせていた。
哲子は光彦に沢田が会社を辞める事を伝えた。光彦は哲子に犯人は分かった、逮捕も時間の問題だと言った。
犯人は
①札幌の地下鉄の駅にいた
②駒村ひろ子の事をよく知っている
③マンションの駐車場の事を知っている
④駒村ひろ子は犯人の事をほとんど知らない
とつまり、ひろ子に対して片思いの人物ではないかと言った。

自殺事件のあったマンションの駐車場にひろ子の幽霊が出るという噂が流れはじめた。
ひろ子の行き着けだった喫茶店『エーデルワイス』でもその話しでもちきりだった。
松本という客がマスターや他の客からからかわれていた。松本はひろ子にかなりイカれていたらしかったからだ。

松本がマンションの自室に帰ると妙な電話が入った。

光彦と哲子はジュースで乾杯した。
二人の名演技により犯人は自首して事件は解決した。
≪主要登場人物≫
・平野哲子
23歳
会社員
本作品のヒロイン的存在
・駒村ひろ子
23歳
東京都渋谷区幡ヶ谷在住
会社員
・坂本
東京都渋谷区幡ヶ谷在住
喫茶店『エーデルワイス』常連客
・根岸
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